筑波大附属駒場【理科】2022-6[実験5][実験6]

問題

【準備】角材は重さが木片の9倍で、線を引いて9つに区分して、A、B、・・・、Iと名前をつけた。実験は、いずれも水平な机の上に木片を1つ置いて台とし、その上に木片や角材をのせて行う。

【実験5】と【実験6】の文中の⑨〜⑪に入る整数と、⑫と⑬に入る値をそれぞれ答えなさい。ただし⑩<⑪とする。

【実験5】Eが台の上に重なるように角材をのせた。その上にもう一本の角材のFが台の上に重なるように、また、下の角材のAと上の角材のBが重なるようにのせると、2本の角材は水平のままだった。(図5)。そこで、下の角材のIの上に重なるように木材を積んでいくと、木片の数が(⑨)になったところで、角材はかたむいた。

【実験6】Eが台の上に重なるように角材をのせた。その上にもう一本の角材のIが台の上に重なるように、また、下の角材のAと上の角材のEが重なるようにのせると、2本の角材はかたむいた。(図6)。そこで、下の角材のIの上に重なるように木材を積んで調整すると、積んだ木片の数が(⑩)〜(⑪)のときだけ、になったところで、角材は水平のままだった。(図6)

続けて、木片の数が(⑪)のまま、以下の2つの操作を行った。
〔操作1〕上にのせた角材だけを右に少しだけ動かした(図7)。すると、動かした長さが(⑫)cmこえたところで、 角材はかたむいた。

〔操作2〕上にのせた角材だけを左に少しだけ動かした(図8)。すると、動かした長さが(⑬)cmこえたところで、 角材はかたむいた。

情報整理・分析における思考の流れ

筑駒を受ける子たちにとっては簡単な問題です。しかしはまってしまうと計算が少し煩雑になります。当たり前ですが、計算ミスは計算する時に起きますので、より効率化し煩雑な計算からいかに逃れるかが最難関校突破には重要な要素となります。真面目に立ち向かったら、できたとしても損する可能性があります。

私たちの身近どころか存在している全現象の根本原理そのものである重力やモーメントを考える問題は、とてもたくさんの種類・パターンがあります。その全てのパターンを対策することは受験生にとっては時間的に難しいです。そもそも、やったことがない問題だからできなくてもしょうがないという発想自体が大きな間違いです。どんな問題に出会っても基本事項から逸脱せず一般化し解き明かしていくていくことは当然であり、教える側も受験生に対して、その姿勢をまずは教えるべきではないでしょうか。

このような問題を効率良くできるようにするためには、普段からあらゆる現象や物事をそれぞれ別物として捉えず、原理原則の共通点を探り、例えて表現したり、一般化する訓練が必要です。自然とできるようになるわけではありませんので、保護者や先生にそういう人がおり、そのような人物と対話をすることでしか身につかないと考えます。

【実験5】と【実験6】の文中の⑨〜⑪に入る整数と、⑫と⑬に入る値をそれぞれ答えなさい。ただし⑩<⑪とする。

【実験5】Eが台の上に重なるように角材をのせた。その上にもう一本の角材のFが台の上に重なるように、また、下の角材のAと上の角材のBが重なるようにのせると、2本の角材は水平のままだった。(図5)。そこで、下の角材のIの上に重なるように木材を積んでいくと、木片の数が(⑨)になったところで、角材はかたむいた。

【モーメントは0になりたがっている】
力点にかかるモーメント=支点から力点までの水平距離 x 力点にかかる力
あらゆるものは安定(平衡)を目指す。モーメントとは支点の鉛直線下に行こうとする回転力である。
全てで捉え計算を進めること。

支点の確定。支点左右の同一部分を相殺して、モーメントの差を捉える。
最後、角材は右に傾くことがわかるので、支点は台右端である。
左回転のモーメントの方が強い。差分の角材の重心を捉え、モーメントを計算。

27×3+27×1=108 108÷21=36/7=5と1/7
⑨=6

【実験6】Eが台の上に重なるように角材をのせた。その上にもう一本の角材のIが台の上に重なるように、また、下の角材のAと上の角材のEが重なるようにのせると、2本の角材はかたむいた。(図5)。そこで、下の角材のIの上に重なるように木材を積んで調整すると、積んだ木片の数が(⑩)〜(⑪)のときだけ、になったところで、角材は水平のままだった。(図6)

面で支えられている場合、面の両端それぞれを支点として捉え、別々に考える。
支点左右の同一部分を相殺して、差分の角材の重心を捉え、モーメント差を計算。

[支点を台左端とする場合]

15×3+39×3=182 182/27=6で水平 6未満で左に傾く。
⑩=6

[支点を台右端とする場合]

27×9+27×1=270 270/21=90/7=12と6/7 12と6/7で水平 12と6/7こより増えるとで右に傾く。
⑪=12

続けて、木片の数が(⑪)のまま、以下の2つの操作を行った。
〔操作1〕上にのせた角材だけを右に少しだけ動かした(図7)。すると、動かした長さが(⑫)cmこえたところで、 角材はかたむいた。

右に動かした時、最後、角材は右に傾くので支点は台右端である。
この時の支点左右の同一部分を相殺して、差分の角材の重心を捉え、モーメント差を計算。

[左回転]27×10[右回転]21×12
270-252=18 左回転のモーメントの方が強い。

右に6cm動かした時(←条件の変化しない極端な場所をとって検証)
[左回転]27×1+27×7[右回転]21×12
252-216=36 右回転のモーメントの方が強い。

6cm右に動かすとモーメント差が54(=18+36)変化する。
モーメント差が18減った後、角材は右に傾く。
よって18/54=1/3 6×1/3=2
⑫=2cm

〔操作2〕上にのせた角材だけを左に少しだけ動かした(図8)。すると、動かした長さが(⑬)cmこえたところで、 角材はかたむいた。

左に動かした時、最後、角材は左に傾くので支点は台左端である。
この時の支点左右の同一部分を相殺して、差分の角材の重心を捉え、モーメント差を計算。

[左回転]27×7[右回転]27×13
27x(13-7)=162 右回転のモーメントの方が強い。

上にのせた角材の重心が下の角材の左端を超えてしまうと上の角材が左に傾いてしまうので
動かせるのは3cmまで。

左に3cm動かした時
[左回転]27×8[右回転]27×13
明らかに右回転のモーメントの方が強い。

左移動3cmまでの間に全体として左回転のモーメントの方が強くなるところがないということがわかる。
⑬=3cm

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