灘【理科】2022-4 実験問題ー実験結果から電磁誘導を考えさせる+『自由研究』教育ブロックIQ KEYで発電実験

問題

手回し発電機にコンデンサーを1個つないでハンドルを一定の速さで回し続け(図1)。じゅうぶんに時間をかけて充電してから、コンデンサーを取りはずしました。この充電されたコンデンサーの状態をAとします。

また、複数の同じ電熱線を用意します。充電されたコンデンサーに電熱線を接続すると、電流が流れます。以下の実験の説明を読み、問いに答えなさい。

実験1
状態Aのコンデンサーを、電流計を介して電熱線1本に接続します(図2)。接続したときから時間を計り始め、電流計の示す値を整数値で時間ごとに記録したところ、図3のグラフおよび表のようになりました。電流の単位(mA)はミリアンペアです。

実験2
コンデンサーを再び充電し、状態Aのコンデンサーを用意します。状態Aのコンデンサーを、直列につないだ電熱線2本に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

実験2は実験1に比べて、接続した直後(0秒)での電流の値は400mAからその半分の200mAに、また「電流が半分まで減る時間」は30秒からその2倍の60秒になっていました。

問1
くわしく調べてみると、電流が半分まで減る時間は□に比例していることがわかりました。□にあてはまる言葉を次のア〜ウから選び、記号で答えなさい。
ア 充電でのハンドルを回す速さ
イ 直列につないだ電熱線の本数
ウ 電熱線の温度

実験
手回し発電機のハンドルを状態Aの場合の2倍の速さで回し続けてコンデンサーを充電しました。このコンデンサーの状態をBとします。状態Bのコンデンサーを、直列につないだ電熱線2本に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

問2
コンデンサーに最初にたまっていた電気の量を考えます。(以下ではこの量を「電気量」と呼ぶことにする)。電気量は、「接続した直後での電流」x「電流が半分まで減る時間」に比例します。コンデンサーの状態AとBの電気量の比を答えなさい。

実験4
再び充電された状態Bのコンデンサーを用意し、並列につないだ電熱線2本に接続します(図4)。電流計の示す値を測定しました。

問3
実験4で、「電流が半分まで減る時間」は15秒でした。接続した直後の電流計の示す値を答えなさい。

実験5
次に手回し発電機のハンドルを状態Aの場合の1.5倍の速さで回し続けてコンデンサーを充電しました。このコンデンサーの状態をCとします。状態Cのコンデンサーを、あるつなぎ方の3本の電熱線(図5のXの部分)に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

問4
表のyにあてはまる数値を答えなさい。またXの部分あてはまる電熱線のつなぎ方を次のア〜エから1つ選び記号で答えなさい。

情報整理・分析における思考の流れ

コンデンサーと手回し発電機を使った実験問題。ふたを開ければ豆電球の知識だけで解くことができます。情報がたくさん散りばめられているので、何をやっているのか、何を聞かれているのか、解答者が混乱を起こしやすい出題形式になっています。抜け漏れなく情報を収集し、冷静に整理・分析していけば難なく解ききることができるでしょう。

ポイントは、グラフや表には書かれていない数や法則に注目することです。問題を解いていくと、どんどんグラフや表ばかり見てしまうものです。その前に必要な情報を目立てせなくては見落としてしまい論理が破綻してしまう可能性があります。

手回し発電機にコンデンサーを1個つないでハンドルを一定の速さで回し続け(図1)。じゅうぶんに時間をかけて充電してから、コンデンサーを取りはずしました。この充電されたコンデンサーの状態をAとします。

また、複数の同じ電熱線を用意します。充電されたコンデンサーに電熱線を接続すると、電流が流れます。以下の実験の説明を読み、問いに答えなさい。

実験1
状態Aのコンデンサーを、電流計を介して電熱線1本に接続します(図2)。接続したときから時間を計り始め、電流計の示す値を整数値で時間ごとに記録したところ、図3のグラフおよび表のようになりました。電流の単位(mA)はミリアンペアです。

実験2
コンデンサーを再び充電し、状態Aのコンデンサーを用意します。状態Aのコンデンサーを、直列につないだ電熱線2本に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

実験2は実験1に比べて、接続した直後(0秒)での電流の値は400mAからその半分の200mAに、また「電流が半分まで減る時間」は30秒からその2倍の60秒になっていました。

問1
くわしく調べてみると、電流が半分まで減る時間は□に比例していることがわかりました。□にあてはまる言葉を次のア〜ウから選び、記号で答えなさい。
ア 充電でのハンドルを回す速さ
イ 直列につないだ電熱線の本数
ウ 電熱線の温度

実験結果から、最初に流れた電流が小さいほど電流の減り方が遅い(時間がかかる)ことがわかります。最初に流れる電流の値を決めるのは電圧と抵抗なのであてはまるのは電熱線の本数です。

イ(豆電球を2つ直列につなぐと流れる電流は1/2に下がり、豆電球は暗くなります。)

実験3
手回し発電機のハンドルを状態Aの場合の2倍の速さで回し続けてコンデンサーを充電しました。このコンデンサーの状態をBとします。状態Bのコンデンサーを、直列につないだ電熱線2本に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

問2
コンデンサーに最初にたまっていた電気の量を考えます。(以下ではこの量を「電気量」と呼ぶことにする)。電気量は、「接続した直後での電流」x「電流が半分まで減る時間」に比例します。コンデンサーの状態AとBの電気量の比を答えなさい。

A:B
= 400 x 30:400 x 60
= 12000:24000
1:2

実験4
再び充電された状態Bのコンデンサーを用意し、並列につないだ電熱線2本に接続します(図4)。電流計の示す値を測定しました。

問3
実験4で、「電流が半分まで減る時間」は15秒でした。接続した直後の電流計の示す値を答えなさい。

『電気量は、「接続した直後での電流」x「電流が半分まで減る時間」に比例する』

『電気量が一定の場合、「接続した直後での電流」と「電流が半分まで減る時間」は反比例の関係』

400 x 60 = □ x 15
□ = 1600

実験5
次に手回し発電機のハンドルを状態Aの場合の1.5倍の速さで回し続けてコンデンサーを充電しました。このコンデンサーの状態をCとします。状態Cのコンデンサーを、あるつなぎ方の3本の電熱線(図5のXの部分)に接続します。電流計の示す値は下の表のようになりました。

問4
表のyにあてはまる数値を答えなさい。またXの部分あてはまる電熱線のつなぎ方を次のア〜エから1つ選び記号で答えなさい。

1.5倍速く回すと電気量も1.5倍になり「接続した直後での電流」が同じ場合、「電流が半分まで減る時間」も1.5倍となる。30 x 1.5 = 45(秒)90秒後は45秒2回分なので、電流は半分の半分で1/4になるということ。
400 x 1/4 = 100 y=100

(数列だけで解く)「電流が半分になる時間」に注目すると、252mAと63mAが4:1の関係にあることが見つかる。
すなわち、30秒から120秒の90秒間に「電流が半分になる時間」が2回あったということ。実験5の「電流が半分になる時間」は45秒だとわかる。90秒後には電流は半分の半分で1/4になるということ。
400 x 1/4 = 100 y=100

「情報整理」
コンデンサーA 1倍回転 ー 電熱線1本 ー 400mA
コンデンサーB 2倍回転 ー 電熱線2本直列 ー 400mA
コンデンサーC 1.5倍回転 ー ? ー 400mA
「接続した直後での電流」が400mAということは電気量を1.5倍に上げたのに電熱線の配置によって電流が2/3(1.5の逆数)になったということ。

あとは、豆電球でもよく扱う電流値の計算
ア=3 イ=1.5 ウ=2/3 エ=1/3 X. ウ

『自由研究』教育ブロックIQ KEYで発電実験

みなさんご存知かと思いますが、手回し発電機ってモーターとギアですよ?

「電気を流すとモーターが回転する」ということと「モーターが回転すると電気が生まれる」ことは逆事象であり、原理は同じ電磁誘導です。『ローレンツの左手の法則』が有名ですね。

この入試問題でも話題に上がっていますが、
モーターを速く回すとコンデンサーに電気が多くたまります。
(コンデンサーにたまっている電気の正体は静電気であり、普段の授業では、水の持つ極性電荷や、LEDの光る仕組みなどと関連付けていくのですが割愛します。)

「教育ブロックIQ KEY」は、モーターの回転をいろいろなギアを駆使して回転スピードやパワーを変化させることができるブロックです。

ということは、逆にいろいろなスピードでモーターを回すことができるということ。
スピードによって発電される電気の強さを計測できれば自由研究になりそうですね。

使用するもの:教育ブロックIQ KEY PERFECT1000・デジタルテスター

さあ、研究を始めよう!(公開予定:2022年7月下旬)

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